医療、健康関係

July 23, 2018

2018年7月23日 2 カナダで働きたい理学療法士に

私は、神戸大学の出身である。Skilled Workerで移民するために修士号まで同大学に通っている。続けてではない。もしカナダ人との結婚などで永住権を卒業後短期間で取得できる人はこの問題には遭遇しないが、そうでない人はかなり難しくなる。昔と異なり、カナダもやはり移民の国で、海外で教育を受けた人の資格取得希望が多く、国家試験の受験資格の認定に際する審査をかなり簡略化しているために、フォームが決まってきている。15年位前にはシラバスの全英訳と公証(これだけでうん十万はする)だったが、それはなくなった。が、臨床実習に関する詳細な情報を要求されるのである。

ここで、問題は、カナダでは理学療法士として登録されるには、市民権、永住権の所持、もしくは永住権の申請中であることが求められる。そして、永住権取得には職歴がある程度必要。移民法が変わったために、今はわからないが私の時は、職歴の点数を満点取るには8-10年の経験が必要であった。つまり、日本の公文書保管期間5年をはるかに越える。これがネックとなる。新しい移民法からは、Canadian Alliance of Physiotherapy Regulatorsの審査の一部はカナダ政府の審査を代用して省略するということであるが、これはおそらく必要単位が足りているかどうかの部分である。問題となるのは臨床実習の詳細な内容を要求されることである。私は、10年以上前に卒業しているのでここで揉めていてる。

つまり、永住権がなければ理学療法士としてどの州でも登録は不可能なのであるが、永住権を先にすると、この部分の書類は作成できずに、審査用の書類作成に困難を極める。因みに、確実に永住権を取るためには、カナダと同等の修士号を持っているほうが確実である。つまり、2年。そしてこの間はフルタイムで働けないために職歴のほうが遅れる。かつ、申請に関しては条件を満たしていても認められないこともある。つまり、枠は特定職種の人は年に1000人までとなっている。理学療法士もそうである。何の問題もなく、公文書(自分の公的記録)が残された状態で問題なく、理学療法士の国家試験受験資格審査の申請書類を作るには、逆に永住権取得が難しくなる。ちなみに、日本の一般的な臨床実習の時間数も規定されている時間には足りていないので、若干困難を極めるが、そこは働いてからの経歴などを加味してもらった人もいるというが、やはり、簡単にはいかない。

では、永住権を取る前に受験資格の申請だけしておけばいいではないか、ということになるのであるが、単純ではない。カナダでは、受験資格を得れば、二年以内に国家試験(まずは筆記)を受けねばいけない。不合格をしていい回数は基本的に2回。あとは条件付きで何度か受けられることもあるらしいが、絶対的に不合格しても再受験できるのは2回まで、筆記試験に合格後も次に実技試験がある。日本に住んでいて日本語環境で働いている人にはかなり厳しい。プライベートを一切捨て、英語の勉強と、英語での理学療法の勉強となるから。つまり、受験資格審査と永住権をどちらもつつがなく行うのは難しい。合格できても永住権がなければ無意味だからね。

いずれにせよ、わたくしの場合は、元々保健学科もない時代の学生(医療技術短期大学部)であったので、保健学科に編入し学士を取り、そして大学院に行っている。当初は全く海外に興味もなかったので普通に公立病院で5年弱働いていたくらい。で、海外と出会ったのはその後。だから、編入したのは卒業後、8年。学士をとったのは、国家試験取得から9年。この段階で、アイルランドとイギリスの国家資格の審査を受けているが、この学士はイギリスの学士よりレベルが低いとされ、一回目は却下。これが大学院に行った理由。だから卒業後一年空いている。流石に、修士の時は、イギリスの修士と同等と認められ、資格審査に及ぶ。もちろん、この段階でも臨床実習などは重要。アイルランドからはもう一度こっちで臨床実習を三か月受けるように、と。イギリスは、資格取得後の経歴も加味するから、ということでかつての職場の同僚に頼んで上と掛け合ってもらい書類を作成してもらった。今から思えば、この段階で、大学に頼んだ書類も公文書はないわけだから、本来作成は難しかったはずだが、今の教務学生係と違い、当時の職員はかなり協力的だったことだけは覚えている。「現状だと、ここまではできます」、と具体的な情報をもらい話し合って、「上に掛け合ってきます」、と向こうが積極的に動いてくれたのだが、今の教務は、「できません」「不可能」の一点張り。つまり、一つのことにかかる手間が二度、三度、増える。ま、当時は、学科長も親しく、半数くらいの教官が自分の学生時代のスタッフであり、当時の教授が個人的に、臨床実習などの資料もすべて残されていたのかもしれない。いずれにせよ、今はもう恩師はいないし、教務の人も知らない。大学院時代にお世話になった先生すらいないからね。知っているのは、先輩の一人が院の助教授、後輩の一人が准教授をしているだけ。困ったのは、今の教務が、仮に、当時の教員や実習指導者も証明してくれても、公的記録がないために、臨床実習の書類は一切作成できない、というところ。今も交渉中。何度話しても、どこまで証明できるのか、具体的な項目を言わない。それを言わねば、審査機関に交渉ができないのに。単位がある限り、実習に行っていたことは事実で、記録はなくとも、期間はわかるはずなのにね。それすら、口ごもっている。実際、イギリスやアイルランドの申請、カナダの永住権の審査を経験してきているが、神戸大学は非協力的で、なかなか簡単には進まない。卒業生の数を考えれば、海外に行こうとした人は少なくないはずなのに、毎回、ゼロからの交渉というのも意味が分からん。そして、異様に頭が固い。これは実は、大学院受験のときにも同様のことはあったのである。海外のことに関わらずである。大学院は、あとには名古屋、金沢、札幌医大、も考えていて、コミュニケーションをしていたのだが、圧倒的に神戸だけがイマイチだった。校風なのかね。

いずれにせよ、カナダで働きたい理学療法士の人は考えねばいけない。

1.受験資格審査の時期(英語の条件のクリアも必要かつ上記のような公文書の保管期間も考慮)
2.永住権申請の時期(フルタイムでの職歴、自分で働いて貯めたことが証明できる一定の預金などが必要)
3.臨床実習の内容については、日本は細分化されていないために、カナダ側が求める形式で書類を作成してもらえるのかどうか(多分、教授の協力などもいる)
4.公文書保管期間過ぎた後は、学校側が融通利かせて書類を作成してくれるか、どうか(これは非常に大きい)。

はっきり言って、面倒くさい。カナダの機関のコーディネーターの人は「なぜ、大学は記録がないのなら、あなたが提供する臨床実習の記録を承認してくれないの?」が現在のところ。一週間休むらしく、次の問い合わせの回答は来週になる。

ま、カナダで働きたい人は大学に入る前から、流れをある程度考えておかねば困難が伴うかもしれない。ちなみに、神戸大はやめておいた方がいい。私はもう疲れている。カナダとの縁を考えるならば、今は退官などされて教授にはいないが、それでも、やはり、金沢か札幌医大だろう。金沢は元教授、および卒業生がカナダの資格を有している。札幌医大には、以前カナダ人の教授がおられた。それか、最初から英語はやめてケベックを目指し、思い立った日からフランス語の勉強をし、フランス語の試験をパスする気持ちでいけば、ケベック州の資格はもらえるかもしれない。

でも、やはりカナダの英語圏というのであれば、卒業後、一年くらい病院で働いてから(これは日本の教育で足りない臨床実習を補うための補填の可能性のため)ユーコン準州の移民の道を選び、理学療法をしばらく離れてカナダに住みながら申請、受験をした方がいいかもしれない。ワーホリでみんなの行かないユーコンに行き、スポンサーを見つければ、二か月くらいで準州の永住権が取れる。多分、何年かユーコンに住めば、他の州にも住めるようになるはず。私の時にはなかった制度だが、当時にあれば、私はこの道を選んでいたと思う。ユーコン準州政府の求人サイトなどからコンタクトをとる方法もある。ユーコンの永住権はIELTSで5もいらないはずだから、片言で話せれば楽勝なはず。ユーコンはアラスカの隣で糞寒いが、オーロラもグリズリーもブラックベアーも見れるし、ダウンタウンに行けば、有名なYukon Riverも流れているから5年くらい住むにはいいところだからね。一つの方法としては、いいと思う。

あとは、理学療法士にこだわらないのであれば、はっきり言って、作業療法士だとこういう困難はない。神戸大学、他、いくつかの学校は世界作業療法士連盟の標準プログラムを満たしているから、そういうところを卒業した人は資格を得られるはず。正直なところ、自分は編入学ではなく、あの時に作業療法専攻に行きなおしておけばよかったと正直後悔しているくらい。

まあ、グダグダとややこしいことを書いてきたが、公文書保管期間、その他のいわゆる定型ではない書類作成には困難が伴い、または、融通をどこまできかせてくれるのか、一切きかせてくれないのか、便宜を図ろうとしてくれるのか、交渉に応じてくれるのか、などいろいろとあるので、海外で働きたいと思う人は単に適当に学校に入り卒業することだけを考えていれば損をする。海外の資格を取得し、働いている卒業生を多く持つ学校を選ぶことが一番重要かもしれない。自分が一人目となるときには、必要以上の時間、力、金銭を浪費しなければいけないから。

学校側の非協力性が原因であきらめねばいけないならばそれはあまりにも悲しいからね。

参考にしていただけると嬉しい。

misato74 at 00:02|PermalinkComments(0)

July 02, 2018

2018年7月2日 誤った情報が多い

https://www.nitiriha.com/lab/rigaku/1392

このサイトは日本リハビリテーション専門学校というところに管理されているらしいが 

海外の理学療法士の資格について

嘘が多すぎる

イギリスで理学療法士になるには:

日本の理学療法士の免許を持っている人であれば、英語能力試験(IELTSまたはTOEFL )などの必要要件を満たすことで、現地で働くための申請を行なえます。


とされているが、大嘘。一応、学士以上が最低水準として必要。専門学校卒では不可能。ちなみに、わたくしは、神戸大学の学士号取得時に申請し、その時に神戸大学の学士はイギリスの学士と同等ではないと判断され
その下のhigher diplomaレベルとされ、申請は受理されず、大学院を出て初めて教育水準でクリアしたくらい。因みに、申請から取得まで一年かけたが、日本の教育のみを受けた人からの申請の前例はなく、初めてだ、ということで、ものすごく慎重に審査をされ、日本では理学療法士のしない、診断能力なども審査され、最後のほうはほぼ、喧嘩状態で、「あなたが要求しているものすべてを送る気はない。今回一つだけ要求されたものを送る。これで判断できないのならば、それはあなたの問題だから、その程度の審査しかできない国の資格はいらない。」と言いはなったら、一カ月半後にレターとともにライセンスが送られてきた。これが2007-8年の話。つまり、10年ちょっと前の段階でこの水準であり、それより資格の水準が下げられることはない。つまり、日本リハビリテーション専門学校の情報は正確ではないと言える。

ま、私が前例となったので少なくとも院卒の人は資格はとりやすくなったのではないかな。ただ、EUがあるおかげで日本人にビザは与えられず、行けなかったが。あと、イギリスはイギリスの資格を取るだけで働くことはできない。ほとんどの王立病院などは、イギリスの技師会に加入していることが条件だが、イギリス居住者しか加入できない。プライベートクリニックなどで働くには、また別の資格も必要となり、そうなると、職歴の年数なども必要となる。あるクリニックが雇ってもいいんだけど、その資格を取る条件は満たしていると思うから、申請してみなさい、とのことだったが、イギリスの資格を取るときに教育システムの違いや制度を一から説明して、疲れていて、同じことを再びするのにはもう疲れすぎた、と言ってお断りさせていただいた。実際、今はイギリスの学校の卒業生ですら働けないくらいに求人がないので、いずれにしてもイギリスで働くことはよほどのコネがない限り無理だろう。EU脱退して、EUからの労働者をすべて国に帰らせるならば、その時ビザ取得は可能になるかもしれないがね。

ちなみに、かつて日本の専門学校卒で資格をもらえた方が一人いたのは知っているが、私より二十年以上前の話であり、イギリスに留学していたその方の先輩が日本の教育現状などを説明し、結果、特例として与えられたもので、正規のルートではない。


オーストラリアで理学療法士になるには:

オーストラリアの理学療法学科に入学し、卒業して免許を取得する必要があります。また、日本で取得した免許を海外でも使用するために受ける試験に合格することも必須です。英語力テストの他、書類審査・筆記試験・臨床試験などの項目が必要になりますので、イギリスよりもハードルが高いです。


学位水準を満たしていなければ試験を受験できない。そして、日本の資格は専門学校レベルなので基本不可能。大学卒の認可を受けるのは、国立大学が無難。今は増えてきていると思うが、1990年代以降に開設の私立大学などはオーストラリアという国で認められていない学校が非常に多いので注意。因みに、英語圏の理学療法士資格で海外の資格保有者が最も合格できない国がオーストラリア。イギリスの人もオーストラリアで働いている人は多いが、オーストラリアの資格試験には合格できません。ゆえに、彼らは申請だけで取得できるニュージーランドの資格を取り、ニュージーランドに行き、そこから、ニュージーランドとオーストラリア間の協定を利用し、オーストラリアの資格を取得し、行っているくらいのレベル。因みにニュージーランドはイギリスと同形態の資格審査であるが、英語の条件が世界で最も高く、IELTSアカデミックで全4項目各々で7.5以上というものすごく高い水準を要求され、日本人にはほとんど不可能に近いレベルである。

アメリカで理学療法士になるには:

詳細は州によって違うのですが、オーストラリアと同じくアメリカの理学療法学科に入学し、卒業する必要があります。また、大学院も卒業することが国家資格を受ける必須項目となっている州も多く、かなり難しいと言われています。


2000年に調べたころは、ほとんどの州が最低修士号、一部の州で学士を受け入れている状態。だが、私が大学院を出た数年後に全州、博士号が必要になったはずである。ちなみに、州により違うとはいえ、理学療法助手の国家資格でさえ受験資格が最低学士号なので、日本の理学療法士のほとんどは助手の国家資格水準すら満たしていない。その下のPhysical Therapy Aidである。因みにアメリカは、TOEFLかな。全州共通の国家試験を合格の上、次に、州ごとの州試験に合格が必要。さらに、資格取得し、アメリカで働いても、資格維持も難しく、何年おきだったかな、日本でいうところの全国学会の発表などのことをしないと、資格の更新のためのポイントが取得できない。オーストラリアとは違う意味で難関。ちなみに、この国は理学療法助手で年収が日本でいうところの7-800万円だから、難関で当然。

因みに、アイルランドは2007年にイギリスと同時に申請。2000年に聞いたときはイギリスの教育審査機関UK Naricの審査を受けて、学士以上であればとあり、2004年の段階では自分たちで審査に姿を変えていた。因みに、2005年に神戸大学医学部保健学科で得た学士号で申請したが、学歴が水準以下ということで却下、2007年、大学院を出た段階で初めて、審査対象となった。アイルランドは当時は英語のテストは不必要であったが今は不明。水準はイギリスと同じだが、違うのはいわゆるアイルランドの病院での臨床実習が三カ月必要ということで、病院の全リストを送られてきたのだが、仕事の都合などでいけないので、その時点で断念したが、行けばよかったと後悔している。

カナダの場合は、英語のテストがまず必要でそれをクリアして初めて申請できる。そこで、教育の審査を受けて、それをクリアすれば、受験資格が与えられる。まずは筆記試験、で合格者は口頭試問。二つ合わせて二回不合格になると再び受験はできない。昔と違い、University of British Columbiaなどが今はそのためのコースを持っているが、その効果は不明。10年位前には海外の理学療法士の国家試験の合格率は20数パーセントであったはずで、そのうちの75パーセント強は英語圏出身。つまり英語圏以外の人の合格率は非常に低い。カナダは州により条件は違うが、教育レベルは全州で最低修士号。サセカチュワン州やマニトバ州ではその州で働く限り、その州の大卒の人は試験を受けなくていいが、大学の入学資格を留学生には与えていないので、正規の資格申請が必要。ケベック州は法律が違い、一応学士レベルだが、日本の学士をどうとらえるかは知らない。フランス語の試験を受けて、高得点であれば資格は与えられるが、一応、二年はテンポラリーの資格はもらえる。ただし、カナダは全州に関して、州の登録を受けるには永住権か市民権が必要。もしくは永住権申請中であること。北部二つの準州に関してはそこの政府の保健担当の方に問い合わせて返事もらった結果、Nunavutは審査機関がなく、他の州の資格保持者であることが条件、Northwest Territoriesも同様だが、受け入れ先があれば可能とのこと。ただし、やはり、基本条件はカナダの州の登録を受けていること。

ま、言えば、先進国で英語圏の国で働くのは難易度が高い。

ニュージー、アイルランド、カナダは付け加えておいた。
因みに英語圏以外の場合は、問い合わせても返事が来ないことが多い。昔、チェコだけは、英語を話せる人を探して返事をくれたのだが、死ぬほど難しいチェコ語の試験を合格すれば資格は出せる、と。アイスランドもアイスランド語の試験が必要だった。メキシコは今はわからないが、昔は日本の專門卒でも行けたね。でも、最近は、発展途上国でもその国の最低教育水準は学士とか修士なので、JAICAなどへの支援要求でも、その水準を満たしていない人とは働きたくないということなので、基本的に最低でも学士は持っておいた方がいいだろう。

この日本リハビリテーション専門学校によるサイトはそういうことを隠して受験者を増やそうとしているのかな。ちょっと、記述内容に無責任さを感じる。もう少し可能性のある、JAICAや発展途上国の日本の資格で働ける国とかを紹介するほうがいいでしょう。カナダなどにワーホリに来て可能性を探している理学療法士や看護師の子と複数会ってきているが、みんな、失望して帰国して行っているからね。日本の教育機関や技師会はもう少し責任をもって情報を出すべきだね。

正直、呆れる。



((追記))

私がinactiveだった間に、カナダの国家資格を金沢大学出身の方が取得されていたらしい。素晴らしい。アルバータ大学のコースをとっているひともいるので、複数名、受験資格を得ている状態のようである。 

misato74 at 00:01|PermalinkComments(0)

December 07, 2013

2013年12月7日

 カナダ以外の国で教育を受けた理学療法士がカナダで働くために、

-まず、カナダで理学療法士として働くためには、各州、準州に登録されねばいけない。
-ケベック州に対してはフランス語での説明しかないのでわからないが、少し他の州とは異なるシステムを持っている。
-Northwest TerritoriesおよびNunavutでは審査機関、登録機関がないために直接問い合わせが必要とされている。両準州の保健省のようなところに問い合わせをしたところ、

・Northwest Territories:NTでは、登録機関がないために、雇用主次第である、との回答。しかし、求人を見る限り、知る限り、すべての求人でカナダのいずれかの州、準州で登録されていることが条件。
・Nunavut:登録機関がなく、審査機関もなく、前例もないために準州としては受け入れる用意ができていない。カナダの他のJurisdictionで判断されなければいけない、と。しかし、それについて質問するも回答はなく、現状においては、やはり他の州、準州で登録されていることが条件になると思われる。


 となると、Canadian Alliance of Physiotherapy Regulatorsにおいて、英語力の証明を達成した後、必要書類を用意し、自分の持つ理学療法教育の審査を受け、カナダにおける標準と同等以上と判断された場合のみ、Physiotherapy Competency Examination(PCE)の受験資格を与えられる。第一は、Written Test。そして、それを合格した場合、二年以内にPractical Testを受ける資格が与えられ、この二つのテストに合格した段階で、基本的には各州の登録資格を得られる。カナダ以外の国で教育を受けたセラピストがライセンスを得るにはこのパスが必須である。ちなみに、この試験に関しては、二度不合格になると、受験資格は永遠に失われる。つまり、失敗は一度しか許されない。

 PCEに関しては、海外で教育を受けた志願者の半分以上は不合格で、約八割は英語で教育を受けてきたものである。すなわち、アメリカ、イギリス、インド出身のセラピストが合格者の大半とされる。ちなみに、これはWritten Examの結果であり、Practicalの合格率は、非英語圏の人間にとっては非常に低く、合格は難しいとされている。

 ただし、最近、このことが問題となり始めており、最初にthe Allianceにより受験資格を与えられたものに対しては、the University of Torontoやthe University of British ColumbiaがBridging Courseを提供しており、各州の協会もブリッジングコースについて日々考えているところである。調べた限り、UoTのコースはPCEの合格ではなく、カナダでの業務や文化的な違いを調整することに主眼を置いており、UoBCは、PCEの合格に主眼を置いているカリキュラムである。IELTSが7~7.5レベルであると、UoBCのコースは有用であろうと思われる。

 ちなみに、日本の教育だけを受けた志願者の例があまりないこともあり、the Allianceとしては、明確な返答はできないとのことであるが、専門学校卒、医療技術短期大学部卒の志願者は何人か応募したことは知っているが、北米の助手レベルなのでアクセプトはされていない。

 学士の場合は、おそらくは履修単位によると思われるが、カナダの教育機関もケベック州を除き、学士から修士に変わってきていることも踏まえると、将来的には最低の学歴基準が修士になることも考えられる。

 現状において、日本で教育を受けたセラピストのトライアルは、アメリカ大リーグで言うところの野茂茂雄選手のような開拓者の状態とだけ言うことができる。

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September 20, 2013

2013年9月20日 アルコール性小脳失調症

 アルコール性小脳失調症は長期にわたるアルコール多飲者に見られる小脳失調症であり、アルコールに起因する神経障害の約30%に認められる。

<<原因>>
 アルコール自体の毒性、飲酒に随伴するビタミンを中心とする栄養摂取障害が推測される。動物実験から、アルコールによる直接的な神経毒性が示唆されるが、うWernicke脳症と同様に栄養障害に基づくとの考えもあり、明らかな原因解明には至っていない。血管障害によるとの説は組織学的所見と障害部位が血管支配域と相違していることから否定的と考えられている。

<<病理>>
 肉眼的には小脳虫部の上部、前葉前部に限局した萎縮を認める(一般の70歳以上の高齢者にも小脳虫部上部の萎縮が生じうるので注意)。
 病理組織では、小脳皮質を侵し、プルキンエ細胞の変性と脱落、Bergmannグリアの増加、分子層の狭小化およびグリオーシス、顆粒層では顆粒細胞の脱落を認め、プルキンエ細胞周囲の籠線維と分子層深部の切線線維、顆粒層のゴルジ細胞、登上線維や苔状繊維は比較的保持されることなどが特徴とされる。

<<臨床症状・診断>>
 歩行障害、下肢の協調運動障害が主な徴候である。
 他には次のようなものがあげられる。
 ・上肢協調運動障害
 ・眼振
 ・構音障害
 ・体幹失調
 ・頭部振戦
 ・筋緊張低下
 ・眼球測定障害
 ・安静時振戦

 1群:数週から数ヶ月で急速に小脳症状が増悪し、断酒や栄養の改善により安定。
 2群:アルコール多飲を続けることにより、数年にわたり小脳症状が進行していく。断酒や栄養の改善により症状の進行が停止することもある。
 3群:数年間軽度の小脳症状が持続し、高度の栄養障害などの合併で急速に悪化。

<<治療>>
 断酒と栄養状態の改善が第一。症状の進行の停止は出来るかもしれないが、あまり顕著な改善は期待できないことが多いそうだ。
 他に、ビタミンB群の大量投与、TRHによる治療などが上げられる。

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September 11, 2013

2013年9月11日

 世界水準と比較しても著しく能力が低い日本の看護師になぜそのような業務拡大をしようとするのであろうか。正常な脳漿を持つ国家であれば、まず、海外の医師を日本に招聘することから考えるべきである。それと平行して、看護師に上級国家資格を作り、経験年数などは考慮しない厳しい学術的、技術的基準を設けた上で、教育、育成をすべきなのである。そして、その教育に関しては国が責任を持ち看護協会には委託すべきでもない。日本の看護師は、世界水準のNurseとは対等ではないのである。もちろん、多くの他の医療職も然り。

 本当に国民の人生、健康を思うのであれば、考え直すべきなのである。なぜ、世界的に見てもいいものをたくさん持っているのに、政治が生ゴミレベルのひどさなのであろうか。そして、優秀な人間を失望させるのである。

<規制改革会議>看護師業務の拡大検討 52項目協議へ
毎日新聞 9月12日(木)7時14分
 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)が規制見直しの対象として今期(2013年7月~14年6月)協議する検討項目の全容が明らかになった。看護師が行える医療行為の拡大などが柱で全部で52項目。12日の会議で正式決定する。【宮島寛】

 看護師は現在も医師の指示の下でなら一部の医療行為を行えるが、どの処置まで許されるのかの明確な基準がなく、動脈採血など日常業務まで医師が担っている例が多い。

 しかし医師不足は地方を中心に深刻化しており、医師の負担を軽減し、高度な治療に専念させるためにも、技量に応じて看護師の行える医療行為の範囲を広げる必要があると判断し、具体策を協議することとなった。医師と看護師の効果的な役割分担が実現できれば、病院での待ち時間が短くなるなど効率化が進むとみている。

 また、農地法で企業が農地を取得する際に設置を義務づけられている農業生産法人については、役員の過半が農業の常時従事者でなければならないなど厳しい条件がある。農地の大規模化による生産性向上のためにも設置条件の緩和などを協議する。

 また、大学が開発した技術を産業界に積極的に転用する「戦略的な産学連携」について、国立大学にベンチャー企業への出資を認めることなどを検討する。

 20年夏季五輪の東京開催に備え、国土交通省が検討に着手する羽田、成田両空港の発着枠拡大についても規制改革会議として後押しする方針。風俗営業法が社交ダンスを含むすべてのダンスを規制対象にしていることも緩和の方向で協議、移動販売車による医薬品やたばこの販売も検討する。

 ◇規制改革会議今期の主な検討項目

最優先案件

・混合診療の対象範囲拡大

・介護・保育への株式会社参入拡大

・農地規制見直し

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農業

・農業生産法人の要件緩和

・農協のあり方再検証

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貿易・投資

・対日投資促進

・空港規制緩和

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創業・IT

・国立大のベンチャー企業への出資解禁

・ダンスに関わる風俗営業法規制見直し

・移動販売車が扱える商品拡大

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健康・医療

・臨床試験データの有効活用

・看護師などの業務範囲拡大

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雇用

・労働時間法制の見直し

・限定正社員の雇用ルール整備

・労使双方が納得する雇用終了のあり方


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